消えたのは存在そのもの

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私はもどかしくなって その部屋を勢いよく出ていく そして片っ端から部屋を開けていく でもやはり何処にも 求めてやまない華月の姿は見えない 「ここが最後…。大丈夫、きっとここを開けたらいつもみたく『おはよう花音』って笑ってご飯食べてるよ。」 大丈夫 大丈夫 と何度も自分にいいかせる そして目的地のドア リビングへのドアを開く そこにいたのは、 新聞を読んでいた 華月のお父さん 月野睦月さんだけだった
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