消えたのは存在そのもの

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「やぁ、お早う花音ちゃん」 くしゃっと優しそうに笑う睦月さん そして最後の希望を彼に託し 先ほど華菜子さんや華夜にした 同じ質問をくちにする 「 んー…華月君? ごめん、おじさんにはわからないや」 答えは同じだった そして机の上に飾ってある 家族写真の存在を思いだし そっと目を向ける そこにも あるはずの華月の姿はなく 幸せそうに笑う 睦月さん、華菜子さんや華夜ちゃん の三人だけの姿しか写ってはいなかった 「どこ行ったのよ… バカ華月…。」 うつ向き 消え入りそうな声で呟く花音 その呟きは誰も知らない
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