第1話~提督着任。午後3時の出来事~

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~広島県・呉鎮守府港~ 『──此れを持ちまして、呉鎮守府・着任式を閉会致します。』 パチパチパチパチパチパチ……! ──この物語は、拍手喝采から始まる。 「……姉貴、ついに立ったぜ。この場所に。」 ───時は現代。ここは広島県呉市に建てられた呉鎮守府(くれちんじゅふ)。 俺は今日からこの場所の提網監督、略称「提督」として着任した。 きっかけは俺の姉貴がこの、呉鎮守府の三代程前の提督だった事から。かと言って贔屓されていた訳でも、才能とやらでのしあがった訳でもない。 全ては俺の意思、俺がなりたいと思ったから。ならそうなった理由は、きっかけは?と聞かれるだろう。 正直に言うとそれは、決して褒められた理由ではない。 でも、軍隊という危険が隣に居るような職業を目指した理由としては全うで人間らしい。それでいて醜い理由。 敵討ち。 呉鎮守府提督であった姉の命を奪った、人類の敵への復讐だ。
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