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壊せない家
「姉ちゃん。何で父さんは、あの家を売らないのかな?ボロボロで住めそうに思えないし、何か理由があるの?」
僕は宿題で分からないところを聞くついでに、机に向かって勉強している姉に父が放置している土地の家のことを聞こうと思った。
本当のことを言うと宿題は口実で、家のことを知りたくて 姉に聞きに来た。
キッカケは放課後の学校、掃除をしていると友達が〈幽霊が住む家がある〉と楽しそうに話を始めた。
面白そうだと思い聞いていると、それが父が1度教えてくれた家だと気付いた。
桜の木が庭にある、誰も住んでなさそうな古い家。
「売らないんじゃなくて、あの家が売れないのよ」
姉はノートに走らせていたペンを止め、後ろで漫画を読んでいた僕の方に向いて言った。
「本当は宿題じゃなくて、アノ家が本命でしょ?」
「ち、違う」
「なら、宿題のノートを持ってないのは何故?素直に言えば、話してあげる」
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