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「さーて、お仕事しますか」
「アラシ、もっと気を引き締めなさい」
少し間の抜けた俺の言葉を久遠が咎める
その言葉にも俺は「分かってるって」と軽く返事を返し、深く息を吐きながら目を閉じた
次の電車が到着するまであと十分
それまでにケリをつける…!!
次の瞬間俺は勢いよく目を開けた
いつもは黒色である俺の瞳は今は金色の光を放っている
そして俺の視界も先ほどまで見ていた世界とは違う
踏切の手前のところにさっきまでは見えていなかった黒い靄が見えた
「…見つけた」
俺は懐から何枚かお札を取り出し、その黒い靄に向かって構える
「さーて、姿を現してもらおうか………縛(バク)!!」
俺の言葉に反応したようにお札が黒い靄の方に飛び、黒い靄の周りを囲むと縄のような火花を散らして黒い靄を縛り付けた
するとさっきまで黒い靄だったものが実体をおびてくる
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