#00 はじまり

4/4
前へ
/11ページ
次へ
俺はその質問に答えることができなかった 怖くて答えることができなかったのかもしれない それとも単に男の言葉を理解できなかったのかもしれない ただ小刻みに震えることしかできなかった 「…俺さ、鬼なんだ」 男はニッコリ笑って言う 「だから、いつかお前ののことも………奪いにくる」 そう言い残し、立ち去った男は闇に溶けていった 残された俺は、まだ何も理解出来ず、立ち尽くしたままだった その夜の暗い空には血のように紅い満月が昇っていた……――― .
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加