80人が本棚に入れています
本棚に追加
「今から二人づつになり、山を登ってもらう」
担任がスピーカーを使い、大声で言う。
「頂上には久保先生がいらっしゃるから、判子をもらい降りてくるように」
遠足の日。
遠足は小さな山を登山し、クラスの交流を深めるという内容だ。
担任が言い終わると出席番号順に並ばせ、二人に分けていく。
俺は由香里を見た。
....出席番号からして俺となることはないか。
俺は溜め息をはいた。
由香里との関係は変わらず続いている。
俺は由香里に強要し、由香里は怯えながら応える。
しかし、俺が満足できる日はなかった。
「桜井と佐藤」
担任が指示した。
「・・・智也・・・よろしく」
俺の相手は里見だ。
里見は顔を赤くし、俺の隣に立った。
「あぁ」
俺は素っ気なく返事をした。
周りの女子が里見にコソコソと話をし、里見の顔が赤くなっている。
....由香里は誰と。
俺は急いで由香里を見た。
由香里は体が細くクラスで一番がり勉の吉田とだった。
吉田と由香里は楽しそうに話している。
....何なんだよ。吉田のやつ。気持ちわりーんだよ。
俺はイラつきながら由香里から目を反らした。
最初のコメントを投稿しよう!