第5章

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吉田は少し泥が付いたペンを拾い、由香里に見せた。 「よかった。見つかって・・・っあ」 由香里はポケットからハンカチを取り出した。 「・・・泥がついてる」 ペンを拭いた。 頬を赤めている吉田を睨んだ。 ....にやけるな。由香里もそんなやつほっとけよ。 「ありがとう。山野さん」 吉田は嬉しそうにペンを受け取る。 「いいよ。よかったね」 由香里は笑顔でペンを渡した。 悔しくて、手に力を入れる。 「吉田、気を付けなよ」 三人が話ながら歩き出し、俺も足を動かす。 その時、見覚えがあるペンを見つけた。 俺はそのペンを拾い、ポケットに入れた。
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