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授業が終わると、ガヤガヤと騒がしくなった教室の中。
それぞれが机の上を片付けたり、席を立って教室を出て行ったりする中。
「原田」
あたしの名前を呼ぶ、大好きな人の声が響いてきた。
どんなに周りがうるさくても、その声を聞き分けてしまう。
「放課後、これ取りに来い」
そう言って雑誌とiPodを持ち上げて、目が合うなりフッと笑みをもらして教室を出て行った。
その後を追いかけるように何人かの女子生徒が教室を出て行って。
『先生、今度ね…――』
その子達の少し高めの声が、教室の中にまで聞こえてきた。
『もうすぐバレンタインでしょ!? 先生にチョコ作ってくるからね』
楽しそうに笑う彼女達を少しだけ羨ましく思う。
あたしだって、彼女たちみたいに先生を追いかけて。
同じように先生と話したい。
「佐野さんたち、相変わらず先生追っかけてんね」
コンコンと机を叩かれて、あたしの前にはクラスで一番仲がいい千晴が笑顔で立っていた。
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