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頬をなでた指先がスーッと下りて顎に添えられると、
そのまま顎をクイッと上げられて少し触れるだけのキスは降ってくる。
「学校でしか会わないのも、モモに触れないのも、全部おまえを守るためだって言い聞かせてた。
学校にバレれば停学だってあるかもしれない、最悪退学なんてなったら…モモの将来を潰してしまうかもしれない」
でも…と言葉を続ける。
「本当は、一度でもモモに触れたら自分を抑える自信がなかったんだ」
「えっ……」
「もう教師には戻れなくなると思ったから、モモのためなんて自分に言い聞かせてただけかもしれない」
「……先生」
「モモに触れたら今度はキスしたくなる、キスをしてしまったらもっとモモを感じたくなる。教師じゃなくて…ただの“男”になってしまう」
そう言って眉を下げて笑う先生の笑みに、胸がきゅうっと疼く。
あたしの頬を覆う手が少しだけ震えてるような気がして、その手に自分の手を重ねた。
「それでも……モモを俺の近くに置いておきたかった」
切なく眉を下げて笑う先生にドクン、と胸が跳ねた。
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