Ⅳ.

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「好き……」 そんな先生を見つめていたら無意識に出てしまった言葉。 「モモ……」 「先生のこと、好きだよ」 どうしようもないくらいに。 「停学だって退学だって、あたし怖くないよ。 先生と一緒にいられるなら……何も怖くない」 「俺は、怖いよ。モモの可能性を俺の手で壊してしまうんじゃないかって」 そんなのどうだっていい。 そう思うのは、あたしがまだまだ子供だからなのかな。 それよりも先生にもっと近づきたいって思うのは、いけないことなのかな。 「それでも、あたしは先生と一緒にいたいよ」 「モモ……」 「もっと先生のこと知りたいし、 キスだって、その先だって……先生とがいい」 頬に触れてた手にそっとキスをして、潤んだままの瞳で真っ直ぐに先生を見つめた。 「先生じゃなきゃ、イヤだよ」
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