Ⅴ.

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いつものように準備室でお別れして。 でも、前みたいにもっと一緒にいたいとか、まだ帰りたくないって思えるのは。 前にはなかった“約束”があるからなのかな。 廊下を歩きながら、自然と鼻歌まで出てきてしまう。 その足取りは、とても軽い。 あの日あのあと、先生がいろいろ話してくれた。 部屋がキレイだったのは、あたしが来るから片付けたんだと教えてくれて。 隣の寝室に押し込められた荷物を恥ずかしそうに見せてくれた。 学校の準備室の机と同じように重ねられた参考書や適当にまとめられたプリント類。 あたしから視線を逸らして、やっぱり片付けは苦手で…と苦笑いする先生を可愛いと思ってしまった。 紅茶だって、コーヒーが苦手なあたしの為にわざわざ買ってきてくれて。 ペアのカップは彼女が出来たことをひやかしに来た友だちにもらったものだと話してくれた。 それを聞いて、先生は友だちにちゃんと“彼女”という存在を隠さないでいてくれたのだと思うと、とても嬉しかった。 入れなおしてくれた紅茶と、あたしが持ってきたガトーショコラを一緒に食べて。 美味しそうに食べてくれる先生に思わず口許を緩めてると。 嬉しそうに瞳を細める先生を目が合った。
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