第1章

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幼い彼は、やっと灯りが見える所までやって来た。 これからは素人手製のガタガタ階段だった。 幼い彼はそれを数段登ってゆく途中で、振り返って下界を見る。 眼下には世界に冠する、巨大な製鉄製の100米煙突7本が休み無く空を燻している。 幼い彼は、もう一度階段を登り始める。 荒い息を吐きながら、幼い彼が安堵の息を吐くために家路を急ぐ。 幼い彼が我が家の玄関先に立ったのは、それから5分は経った頃だった。
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