第1章

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玄関を開け帰宅の挨拶を交わした幼い彼は、居間で祖父母に報告していた。 不思議な事が起こったのはその夜のことだった。 少しお腹が痛くなった幼い彼は、冷たい風が入って来る大便器の方へ向かった。 幼い彼は、先程の事を思い出しながら大便器に跨がっていた。 当時家の便所は汲み取り槽を埋め込んだものだった。 幼い彼はお腹が痛くなってからしばらく便器に跨がっていた。 幼い彼が紙でお尻を拭いていると、中から手が出てきてお尻を拭くのを手伝ったと云う。 怯えて話す孫を宥めて、祖父母は言い聞かせる。 便器の中にも神様や妖怪が居るものだと。 翌日孫が学校へ行ってる間に、汲み取り槽の中から死体が出て来たことは幼い彼は知らない。 終わり
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