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「待って!!」
ガバッ(起き上がる音)
ゴンッ(ぶつかる音)
「「痛っ!!!」」
あ、さっきのは夢か。当たり前だよな。
それにしてもなんで額が痛いんだ・・・?
「いたたた・・・」
「?」
ふと声が聞こえた方を向く。私の真横でしゃがみこんで、額を押さえる男がいた。
・・・ま、ままままさか、私とぶつかった?!?!
「あ、あの・・・大丈夫、ですか?」
そっと、そっと話しかける。
「あっ、いや全然大丈夫です!あなたこそ、大丈夫ですか?」
男性は私に目線を合わせた。
「あ、あのっ」
「なんですか?」
「私が、見えるんですか?」
男性の目の高さで手を軽く振る。
「そりゃ、見えてるから話してるんですよ!どうしたんですか?」
にっこり笑って、私の手を掴んだ。
(この人、私が見えてるし、触れてる!)
私は嬉しくなって、笑った。
「いえ、なんでもないです!」
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