第3花

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「えっ・・・・・・?」 やば、もしかして言っちゃいけなかった?! 心臓が速く鳴っている。 「も、もしかして、・・・」 自分の顔の血の気が、サァー引くのが分かった。 (せっかく私が見える人に会えたのに・・・!) 「あっ、あの!」 「いいいいや、ちょっと待ってくれ!」 弁解しようとしたが、西田さんは両手を突き出し待てと言った。 目を閉じて、ふーーーっと長い深呼吸をした西田さん。 そして目を開き、私を見る。 「もしかして、」 (嫌な予感しかしない。) ドクン、ドクン 「み、みよさんは・・・」 (幽霊?おばけ?・・・罪人?) ドク、ドク、ドク 「宇宙人ですかっ?!!」 ドク、ドク・・・ドクン 「・・・・・・・・・はぃ??」 私はポカーン、とするしかなかった。 むしろなぜ、この時代の人に宇宙人と言われなければならないのだ。 「えっ、や、やっぱり違いましたか?!」 「えっ、と。違うも何も私人間です・・・。」 普通の、と付け足すと、西田さんはさらに慌てた。 「す、すすすみません!!いや、服装とか的に異人の方かとも思ったんですがっ!!」 いや、むしろ普通はそっちを疑うだろう。 「でもなぜ、宇宙人と?」 私は聞いた。 「実は私、天文学を勉強しておりまして。」 天文学?星座とか、星とかってことだよね。 「私に天文学を教えて下さっているの師匠が、「他の星にはきっと誰かが住んでいる!」とか、よく言うもんですから、つい」 あはは、と言いながら話す西田さん。 それにしてもびっくりだ。この時代でそんな発想をもつ人がいるなんて。 「その師匠さん、発想がすごいですね」 私も思わず笑ってしまった。
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