第3花

4/5
前へ
/22ページ
次へ
「なんせ変わった方ですからね」 西田さんのそういった顔は、困ったような、けど師匠への尊敬からなのか、笑顔であった。 私もつられて笑顔になる。 「それにしても、美代さんが元気でよかったで」 急に言われた私は?マークを浮かべる。 「私、元気なさそうに見えます?」 「いえ、先ほど寝ていらしたとき、うなされているようでしたから・・・」 (なるほど、でもそれは夢のせいだな、うん。) 私は納得して、うん、と頷く。 「あれは、単に夢見が悪かっただけですから。今は全然大丈夫ですよ!」 「なら良かった・・・」 ふう、と一息つくと、私はあることに気がつく。 「あの、西田さん」 「ん、なんですか?」 「もしかして、何処かに向かわれている途中だったのでは・・・?」 そう、西田さんの背には少し大きめの、風呂敷で包まれた荷物があった。 帰宅途中、だったのかもしれないが・・・ 「・・・あぁぁああぁあっ!!!!!!」 思い出したように叫び、ザッと立ち上がった西田さんにびっくりして目を開いた。 (元気だなぁ、西田さん。てか、この時代の人は年齢関係なくすごいのか・・・?) すごく今更であるが、西田さんは50~60歳くらいの男性である。 ・・・若い兄ちゃんではありませんよ?
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加