第4花

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人生が終わる覚悟を決めながら、私はある部屋に連れてこられた。 沖田さんと斎藤さんは、私の両側に座った。 そして目の前には、あの… 「お前が、異国の厄介者か」 新撰組鬼の副長、土方歳三が座っていた。 …ってか目が、目がぁあぁあ!!! 怖いというかなんというか、もうどうしようもないくらい蛇に睨まれた蛙だよ、私。 そんな私の横で私を見てニコニコしている沖田さん。 反対側で無表情のまま土方さんを見据える斎藤さん。 私は誰を見たら良いんだ… とりあえず斜め下を向いて畳とにらめっこをする。 「おい、聞いてんのか?」 「ぬぁっ、にがですか?!」 ごめん全く聞いてなかった。そして言葉が変になった。 沖田さんはニコニコから爆笑をこらえる体制に入った。 斎藤さんから呆れた、という視線を感じた。 「す、すみません、です」 とりあえず土下座をする。最近このポーズ以外に何かしたっけ? むしろこのポーズしかしてないわ。 「だから、お前は異国の奴か?」 (異国?!!とんでもない!) 「異国とちゃいます!ウチは生まれも育ちも日本の平成生まれや!」 思わず膝立ち状態で叫んだ。両手に拳をつくって。 「「「………とりあえず、座れ/座ろっか」」」 新撰組の幹部三人さんに言われ、はっとなった。 「すすすすみませんととにかく命だけわぁあ!!!」 ドンッ!!! 速光(光の速さ)で再び土下座。ちなみに上の「ドンッ」という音は、額と畳がぶつかった音だ。 どうしよ私のあだ名土下座決定?! ガクガク、震えながら頭を畳にぶつけておく。 なんか覚悟はしてたものの、今さら嫌になってきた。
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