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でもさ、生きてるのになんで透けるんだろう。
自分が自分を触ることは出来るのに、なんで他の人は触れないんだ・・・?
「みゃあー」
あぁ、猫の声が真横でする。チラ、とみると、先ほどのミケと呼ばれていた猫がこちらを見ていた。
「ミケちゃん、かぁ・・・」
「みゃー」
目線をそらし、ため息ひとつ。
・・・・・・?目線を、そらし?
「まさか、」
ミケちゃんを再度見る。
「見えて、る?」
「みゃぁあー」
そう、猫には私が見えていた。
見えているとなればやることはひとつ!
「ミケちゃん、だっけ。触らせてくれる?」
そっ、と右手を伸ばす。
するとミケちゃんは私の手の匂いを嗅ぎ、擦り寄ってきた。
「ぉおおお触れたぁぁ!!!」
嬉しい限りである。ということは、私が見える人は、私に触れるということか!
・・・動物にしか見られてない(泣)
「誰か、私を見つけてくれないかなぁ」
「みゃうー」
「あ、ミケちゃんは私を見つけた第一号だよ?私、太原美夫っていうの。」
「みやぉー?」
「そうそう、みお!美夫(ミオ)だよ」
ほんと、ミケちゃん感謝だわ。
ん、この様子だとさ、ミケちゃんは人語を理解してそうだよね?!
いっそ、ミケちゃんに道案内してもらおうかな。
ゆし、善は急げた!(良いことなのかは知らないが)
「ミケちゃん!この街を案内してくれるかな?」
頼む、猫よ!!
「うみゃあ!」
ミケはスッと立ち上がり尻尾を立てた!そして私に背を向け歩き出す。
私は胸が打たれた(良い意味で)。
自分も立ち上がり後ろからついて行った。
さぁ、ここはどこなんだ!
探検探検開始です。
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