第2花

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猫のミケ隊長に着いていきながら分かったことがある。 この街が本当に、自分が住んでた街とは違うこと。現代ならビルやマンションがそこらに建っているのに対し、ここは和風の家ばかりだ。 壁は木で出来ていて、屋根は瓦。地面は砂で、コンクリートなんか全くない。 そして街を歩く人はみな和装である。髪型ももちろん違う。 中には刀を腰にさしてる人もいる。 「まさか、これが世に言う『トリップ』ですか。」 もうそれしかありえないな、という自己完結を町並みを見ながら思った。 相変わらず他の人には見えないらしくて、たまに人とすれ違うと、ぶつかるはずだった肩がすり抜けていく。 だんだん気持ち悪くなってきた、自分が。 だってそうでしょ! 生きてて心臓動いてるのに、他人に触れないし話せないし。 まるでお化けとおんなじだ。 はぁ、とため息がでる。その時だ。 「みゃぁあー!」 ミケ隊長は私を置いて走り出した。 「え、ミケちゃん?!!」 少し視線で追うと、ミケちゃんが向かった先には優しそうな女の人が。 他にも猫が数匹集まっていた。どうやら餌を貰っているらしい。 「頼りになるガイドさんも、ここまでか」 更にため息が出そうだったが、ここはぐっと堪える。 これ以上幸せに逃げられたら、いろいろ終わりな気がするからね! 前向きに行こう、うむ! 私は1人道の真ん中でガッツポーズし、再び歩き始めた。 かれこれ2時間前後は歩いた気がする、今日だけで。 けど全くお腹も減らないし、体力もそんなに変わらない。つまりはそんなに疲れていないのだ。 (おかしいな、私運動部とかじゃないからすぐバテると思ったのに・・・) 全く持って、おかしい自分の体である。 (精神的に疲れたし、どっかで休もうかな・・・) ふと目の前の曲がり角を曲がった時だった。 「あ、花魁が来るぞ」 「何?是非とも拝みてぇもんだ」 「花、魁・・・?!」 曲がった先にいた男性二人の会話。そこに私にとって大事なキーワード「花魁」。 私はその道をまっすぐ走った。 「さすが昔の街、直線の道ばかりだ。」 まるで京都や江戸と呼ばれていた時代の街並みは、T字路など直線の道がほとんどなのだ。 自分のいた道を走り切り、次の十字路に着いた時だった。
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