20/20
58人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
(ウソだろ……) 長いまつ毛を伏せると 少女のような唇が 遠慮がちに僕に口づけた。 「頼むよ」 ほんの一瞬。 とてもじゃないけど 手慣れているとは言い難いやり方。 だけど だからこそ余計に――。 僕みたいに 感傷的な人間の心を揺さぶるには ぴったりのキスだった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!