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「いや、どうせまだ起きてた」 僕はガウンの前をかき寄せて 「さ、どうぞ」 出来るだけ優しく 立ち尽くす薫の肩を引き寄せた。 薫は僕の部屋に入ると 物珍しそうにただただ辺りを見回していた。 「髪、濡れてるよ?」 言ってる間にも。 巻毛の先から次々雫が伝って 百合のように線の細い首筋を濡らしてゆく。
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