愛が足んない

グリーンサラダ、コーンスープにペペロンチーノ。

俺は感心しながらテーブルの上に並べられたメニューを眺めた。

「なんか簡単なもんばっかでめっちゃすいません…」

数種類のチーズがのった皿を左手に持ち、右手で器用にワイングラスとワインを持ってテーブルに置くとそのまま座った。

「ヒカルさん、食べてください」

ワインのコルクを開けながらチラッとこっち見た。
その流し目が同性の俺でもドキリとする。

ワインを注ぐ。

さすが、人気ホストだけある。ちょっとした動作がスマートで色気がある。
剛が顔だけで売れてるわけではないと改めて思い知らされる。

ワインを受け取り一口飲んだ。

「洒落こんで白ワインにしました。本当はビールの方がパスタに合うんですけどね」