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あんな激しいキスは初めてだった。
剛が以前の彼女ともこんなキスをしていたのかと思うと何故だか腹立たしくさえ思う。
もっと欲しいと思った。
もっと深く欲しいと願ってしまった。
「俺は…」
男が男を愛することはどんなものなのだろう?
本当に剛を愛してるのかさえ定かではないけど、剛を欲する感情が、愛だと思っていいのか?
わからない…。
わからないから確かめたい。
ヒカルは前髪をすくう剛の手に自分のそれを重ねた。
「俺は…、俺はまだ足りない」
好きだとか、愛してるとかストレートな台詞は恥ずかしくて誤魔化したつもりが何だか余計に恥ずかし台詞になってしまった。
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