手を伸ばしたその先に

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きっとあなたは、自分の辿る道に気付いている。 この戦いの終焉が近い事も。 「ククッ、凄え誉め殺し。相変わらず、俺を転がすのが上手いな。弱音も吐かしちゃくんねえのか?」 今迄散々、挫けそうな心を奮い立たせ指揮を取り、先陣を切って来たのだ。 最後くらい… 「弱音?…愚痴の間違いでしょう、〝副長〟。」 素直になってみるのも悪くない。 「〝副長〟か…随分と昔みてえに思える……何年経ってもお前は、美しいままだ…幸華…」 たかが名称、されど懐かしい思い出。 私達の記憶は一瞬だけ、〝新選組〟と呼ばれていた頃に遡る。
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