手を伸ばしたその先に

9/13
96人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
…馬鹿ね。 逃げるつもりなら、とっくの昔にトンズラしてる。 確かに、殆どの銃口が狙っていたのは、反勢力主軸のあなたの方。 だけど私だって、無傷では済まなかっただろう。 だったら… どうせ鉛玉を喰らうんだったら、せめてあなたを護る盾に、と。 「…ご、め……ゴフッ…」 もしも私が沖田さんだったなら。 もっと敵を切り裂けた。 もしも私が山崎さんだったなら。 一発も〝副長〟に当てさせなかった。 もしも私が男だったなら。 「ーー幸華ぁっ!…死ぬ、なあっ!」 そこまで みっともなく、あなたを泣かせたりしなかった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!