24人が本棚に入れています
本棚に追加
すぐにレオンの頬が薔薇のように染まり、顔を伏せる。風がさらさらと薔薇を揺らし、フルーレティの髪で遊んでいく。血の臭いも消えてしまった。
「すみませんっ!本で騎士がお姫様に忠誠を誓う言葉って格好いいな、と思ってて。言ってみたかったんです」
よほど恥ずかしかったのか、レオンは顔を上げようとはしない。フルーレティはレオンの頭をわしゃわしゃと撫でる。ブルーシルバーの髪は柔らかく、艶やかで、手入れがよくされていた。
「………ありがとう。私ね、嬉しかった。だって、今までそんな言葉を言ってくれる人なんて居なかったから」
心の底から嬉しかった。レオンはフルーレティを悪魔として見ようとはしない。自分に忠誠を誓う騎士。レオンへの警戒心ももう無かった。
「………ここに居ましたか、フルーレティ様」
最初のコメントを投稿しよう!