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「用はないよ。ただ、呟いただけだから」
そう言うとレオンは何も言わなくなった。やがて、レオンが独り言をぽつりと呟く。
「聖女様の付き人は一生を聖女様と共に過ごすんです。幼い聖女様の候補の時からずっと一緒に勉強したり、悩みを聞いたり」
ふう、と息を吐く音が聞こえる。フルーレティは静かに聞いていた。
「だから、僕はフルーレティ様に一生の忠誠を誓いました。例え、何があっても僕はフルーレティ様の味方ですから」
ぽたり、と頬から伝う雫が膝に落ちる。溢れる涙をフルーレティは止めることが出来なくて。嗚咽を上げながら泣きじゃくる。
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