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全知全能たる神は天空都市を造り、人を産み出された。と、言う冒頭文で神書は始まる。
神に全てを捧げ、神の声を代弁する事を許された女を聖女として民は崇めていた。聖女は神の所有物。故に一部の上級司祭と騎士にしかその姿を見せることはない。
大聖殿がある天空都市、エリュシンレシア。大聖殿には聖女が居て、神の声を民に上級司祭を仲介して伝えられる。
先代の聖女が病にかかり、新たな聖女が神によって決められることになった。そこでエリュシンレシアの隅々から少女たちが集められた。
ステンドグラスが煌めく聖堂で少女たちは頭を下げ、神に選ばれた子だけが頭を上げる。まだ選ばれた子は居ない。
「我らが神よ。あなた様の声を代弁する事を許す聖女はこの方か?」
ぼろぼろに汚れた服を着た少女の頭上に司祭が杖を掲げる。
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