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フルーレティが静かに呟く。その声は何故か、五月蝿く騒いでいた親を黙らせた。司祭たちも目を合わせながら、フルーレティの様子を観察している。
「…………あなたたちの子は神に選ばれなかった。悪魔の私より他の子の方が悪魔みたいね。だって、表面だけ着飾って中身は私を罵ってるでしょ?」
少女たちも親たちも何も言い出せなかった。フルーレティが言っているのは、事実だから。神はフルーレティを選んだ。悪魔と罵られても次期聖女はフルーレティと確定してしまっている以上、言い返せる人が居ないだけかもしれないが。
「では、行きましょうか。フルーレティ様」
「……うん」
司祭たちがフルーレティを囲み、聖堂の扉が開く。フルーレティの歩調に合わせて司祭たちも歩き、入った瞬間、聖堂の扉は固く閉ざされた。
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