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泡は洗う度に黒く変わっていく。髪も体も綺麗に洗い終わった時には、フルーレティの姿も変わっていた。
汚れた水色の髪は、艶のある水色から青色のグラデーションのある美しい髪へ。煤で汚れた顔は、床の大理石のように白い。タイルで水気を取り、侍女が差し出した純白のワンピースを着る。
鏡に映るフルーレティはまるで別人のようで。孤児とは思えないほど美しく可憐な少女。
「さぁ、フルーレティ様。参りましょう、騎士の方々がお待ちです」
鏡に見入るフルーレティに侍女が言葉をかける。侍女は扉を開き、頭を下げる。そこには、純白の騎士服を着た小さな少年と青年が立っていた。
「フルーレティ様ですね?私は騎士団長、カナフ。こちらは今日からあなた様の付き人となるレオンです」
「初めまして、フルーレティ様!僕はレオンと申します。今日から付き人としてフルーレティ様をお守り致します!」
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