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少年が頭を下げると、ブルーシルバーの柔らかそうな短髪がふわり、と揺れる。大きくて鳶色の目がフルーレティをじっ、と見つめ、頬を赤く染めていた。真新しいであろう白の騎士服は生地に絹を使ってあるのか、高価なものに見える。
「フルーレティ様の御身は付き人のレオンと私が御守りいたします。勿論、フルーレティ様は次期聖女様ですから、私たちが常に監視させていただきます」
少し長めの金髪を一つにまとめ、切れ長の目は草原のような黄緑。レオンと同じデザインの騎士服に着ている。カナフと言った青年はレオンと呼ばれた少年よりも落ち着いている。けれど、フルーレティにはどこか影を持っているように見えてしまった。カナフが差し出した手をフルーレティは見つめるだけで決して触ろうとはしない。
「あなたは怖い。だから、私に触れないで」
フルーレティはレオンの手を取り、走り出す。レオンは戸惑い、カナフの方を見て、カナフは縦に頷く。安心したレオンははしゃぎながらフルーレティと廊下を走っていく。その後ろ姿をカナフは光を全く写さない、冷たい目で見ていた。
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