願い

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『さっき青海が 八神君に電話したの。 でも何も心配するなって 言うだけで余計な事は 話してくれなかったらしいわ。 何か…危険な気がして たまらないの』 佐伯女史の言葉は 私の思う部分と一致している。 けれど今朝、あんな形で 琉惺の部屋を 出て来てしまっただけに 彼は私の話なんて 聞いてくれるだろうか。 秋人のお墓詣りに 来ている人物の件も 伝えてあげたいけれど…。 『お願い、彼を止められるのは 高野さん、あなたしかいないの。 今すぐ戻って八神君を止めて』 佐伯女史の言葉に 私は何も答えられないまま 唇を噛みしめた──。
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