709人が本棚に入れています
本棚に追加
日曜日の早朝の駅には
ほとんど人の姿はなくて
いつもなら電車を待つ人が
溢れ返っているホームで
私はため息をついていた。
まだ琉惺の香りが
消えない身体を抱きしめて、
吹きつける冷たい風を
受け止めながら心で思う。
どこまでも噛みあわない
私と琉惺の歯車。
それはやっぱり秋人に
許しを請わないと…
ここから抜け出す事は
出来ないのかも知れない。
自殺した理由が私じゃなくても
秋人の最期の瞬間に
彼の瞼に浮かんでいたのは
間違いなく私だったはずだから。
最初のコメントを投稿しよう!