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響きわたる銃声と怒号。
その中を。
僕と姉さんは手を繋ぎながら、渾身の力で駆け抜けていた。
「姉さん!! 左!!」
建物の影から銃を構えた警備員が立ちはだかった。
姉さんが警備員に手を翳す。
刹那。
姉さんの手から焔が走り出た。
肉の焦げる臭いと絶叫。
臆病な僕は見ることができなくて。
姉さんの背中にしがみついて、震えていた。
姉さんが荒く息を吐く。
「姉さん、大丈夫?」
「私は大丈夫。あなたこそ……大丈夫なの?」
限界以上に力を行使し、真っ青な顔で、僕のことを思いやるこの人が痛々しくて。
「ごめんなさい……。姉さん、本当にごめんなさい……」
「何であなたが謝るの」
姉さんは笑いながら答える。
「だって……」
全ては僕のせいだから。
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