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血の繋がりはないけれど。
幼い頃から研究所で僕を守ってくれた。
どんなにツラいことがあっても、この人が僕を慰め励ましてくれた。
僕の大切な姉さん。
生まれながらに異能の力を持ち、研究所に送られ、組織の駒として、生きることを決定づけられていた僕と姉さん。
そんな運命が嫌で、組織に反抗した僕を組織と研究所は『処分』しようとした。
それを助けてくれたのが――
姉さんだった。
「僕が……僕が組織に逆らって……命令を聞かなかったから……だから……」
下を向きながらそう答える僕に姉さんが笑いながら、軽くデコピンをしてきた。
「あなたのせいじゃないわよ。アタシが勝手にあなたを助けたかっただけ」
「でも……」
「いいから。どうしても謝りたいなら、ここから出て自由になったらいくらでも聞いてあげる」
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