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警備員たちの中から男が進み出てきた。
シワ一つない白衣。端正な顔によく似合うノンフレームの眼鏡――
光姫琥太郎……。
この研究所の責任者の一人。
「全く……こちらの被害も甚大とは言え、君たちを処分するのは非常に惜しいよ」
「特に」と光姫博士が笑う。
「No.06。君は優秀なだけに……本当に惜しい」
姉さんが光姫博士を睨み付ける。
「そんな君たちに敬意を評して選ばせてあげるよ」
「選ぶ?」
「ああ、このまま逆らって死ぬか、ラボにおとなしく戻って、僕たちの言うことを聞くか」
それを聞いた姉さんが鼻で笑った。
「戻れば、逆らう気も二度と起こらないぐらい……徹底的に痛めつけるつもりでしょう?」
光姫博士は答えず、ただ笑っているだけだ。
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