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姉さんが僕の頭を優しく撫でた。
「姉さんが今から10数えるから……数えきったらまっすぐにゲートめがけて走りなさい」
「え?」
「姉さんが博士と警備員を食い止めるから。あなたは逃げて……自由になりなさい」
「ダメだよ!! 姉さんも一緒じゃないとやだ!!」
泣きそうな僕に姉さんは静かに笑うだけ。
僕のせいだ……。僕のせいで……。
僕にもっと力があれば。
僕に力がないから。
神様。
どうかお願い。
姉さんを……この優しい人を……
助けてください!!
強く強く祈った時だった。
「たららら~ん♪たったったったったった♪たららら~ん♪」
どこからともなく聞こえてくる必殺仕事人のテーマ。
……必殺仕事人のテーマ?
「これ、誰かがインカム使って自分で歌ってるよ!! 姉さん!!」
思わず突っ込んでしまった。
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