第1章

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 爪も乙女の彩り。 カラフルにややデザインを交えて塗られたそれは、 男を惑わせ狂わせる魔性の装飾。 と、 あまねく乙女は信じたがる。 女子力とは恋され愛され引力だと信じ、 自分磨きはまるで今日も輝く天上の恒星を自らとすること。  そうだ乙女はすべからく爪を愛している。 何度も祈るその言葉は、 最高の美爪となれ。 例えば平べったい爪に生まれた乙女は、 運命と仲違いし両親のくれた遺伝子を呪いこんもりとつけ爪を盛りつける。 とがり爪なライヴァルへの嫉妬から来る乙女力の薦め。 おかげで甘皮はいつでも剥がされ、 深爪は御法度、 伸ばされる。
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