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「もう帰るなら、今帰ろう」
私、首を横に振る。
「何で?ほら、立って」
慧太くんが私の右腕を掴んで持ち上げようとする。
私は足に力を入れて立たないように抵抗していた。
「どうしたの?最近変だよ」
誰のせいよ!
「そんなことないです。普通です」
「なら、帰ろ」
慧太くんはそう言うと、もう一度私の腕を引っ張った。
私、仕方なく立ち上がる。
「前、歩いて下さい。ついて行きますから……」
並んで歩く勇気はなかった。
たがら私は、そう言って慧太くんを前に送った。
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