一生の不覚

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 志賀先輩。  大学の時の2コ上の先輩で、そりゃあもうモテモテでイケメンで優しくて。 みんなのアイドル的存在。 その先輩が何故ココに??? 「実はね!私、先輩に告白したの」  不意に真弥がそう言った。 「そしたらナントOKでさ。これは早菜に知らせなきゃ~ってことになって」 「へぇ」  驚いたのもあるけど、アイドルが誰かの物になるって……なんかちょっと複雑な気分。 「今日はウチらのおごりだからね!」 『ウチら』か。  はしゃぐ真弥を包み込むような笑顔で見詰める先輩。  私はその時、1人途轍もない孤独感のようなものを感じていた。
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