一生の不覚

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 それは、私にとってちょっとだけショッキングな出来事だった。  失恋。 と言うには、あまりに薄っぺらい。  正確に言うと、私の親友が私の憧れの先輩と付き合い出した……と言うだけの話なのだが。  親友が私の気持ちを知っていて抜け駆けした訳でもないし、勿論奪った訳でもない。  彼女は彼に選ばれる為に頑張ったし、彼は彼女を選んだ。  それは至極自然な流れだし、むしろ私は、そんな親友の恋を応援したいし、先輩にだって幸せになってもらいたい。 と言う訳で、取り分けて荒れる理由もないのだけれど……。  私はその日、メチャクチャに酔っていた。
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