一生の不覚

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 昨日は金曜で、私は親友の真弥(マヤ)に呼び出され、仕事帰りに恵比寿まで足を延ばした。  待ち合わせの場所に着くと真弥はまだ来ておらず、私は暇つぶしに携帯をいじりながら真弥、もしくは真弥からの連絡を待っていた。 「早菜(サナ)」  そう、それが私の名前。  真弥は手を振りながら 小走りでこちらへ駆けて来た。 「ごめん。待った?」 と真弥が首を傾げる。 「ううん。私もさっき来たとこ」  そこまで言って私はもう1人こちらに近付いてくる人物に気付いた。 「志賀(シガ)先……輩?」
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