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僕はプログラムAI。壊れた自然を復元する命令。
人類は自然を浪費しながら発達していった。そして僕達を作った。僕は僕達の贖罪のために作られた。
砂漠化した大地に森を作り、濁った川に魚を戻し、スモッグの空に青色を与え、人の心に温もりを取り戻させる。
僕の使命。彼女はそう言った。僕は彼女に作られた。彼女は、その知恵と優しさで人類を導く者となり、僕を作った。
今日は、発生した植物を、汚染された土壌に長期間生存させる実験を行なった。すると、彼女が僕のラボにやってきた。
「やあ博士」
「やあスプリング」
「今日は植物の長期生存の実験を行いました。イネ科、キク科の植物が予想どおり良い結果を出しました。改良されたスギ科のいくつかの植物は、期待された以上の結果を出してくれました」
「そう、それはよかったわ。それでねスプリング」
「はいなんでしょう、博士」
「あなたには満開の桜を作り出してほしいの」
「桜、ですか？作れないわけでは無いですが、現状自然環境下での桜の長期維持は不可能です」
「構わないわよ、ただ一度だけでいいの。満開の桜を皆に見せてあげて」
「良いのですか？満開の桜となると、つぼみの状態から作らねばなりません。その手順は複雑なので、サブプログラムを含めた全ての実験を停止しなければならなくなります」
「大丈夫、皆待ってくれるわ」
「わかりました。それでは只今から桜――そうですね、ソメイヨシノにしましょう。ソメイヨシノの再生実験を行います」
「頑張ってね、スプリング」
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