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「揃ってるか？」
皆が席に着いたところで、牧野が言った。急な出来事に、事態を知らない生徒は困惑した顔をする。最初から残ることを選んだ生徒に加え、すでに教室には翔太が戻っていた。
「せんせー、にゆカウンセリングまだですー」
「――ああ、説明が必要だな」
言う内容自体はさほど変わらないものの、彼の口調からは日頃の穏やかさなど微塵も感じられなかった。顔つきも別人のように冷たい。マイペースなにゆもそれを悟ったようで、一瞬にして不安げな表情になった。
牧野は教壇に両手を付き、生徒たちを見据える。まるで、ひとりひとり値踏みをするかのような視線だ。
「カウンセリング中に南先生が死んだ」
控えめなどよめきが起こる。
キヨミツは眉をひそめながら、辺りの反応を伺った。翔太は目を丸くして、狐につままれたような顔をしている。美春などほかのメンバーは、戻ってきた生徒たちの態度から、それが本当であると判断したようだ。
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