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車に乗せる準備が整った。
祐介の遺体は、ストレッチャーに乗せられて、病院の裏側に停められたワゴン車に運ばれた。
ワゴン車の後ろのドアが開けられる。
祐介が…行ってしまう。
私は駆け出していた。
折りたたまれる直前のストレッチャーに飛びついて、祐介を抱きしめる。
祐介とおでこを合わせて、頬を擦り合わせると、私の涙が祐介の顔を濡(ヌ)らした。
「…いかないで」
涙は
止まることを知らなかった。
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