冷たいキス
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溢れる涙を手のひらで拭(ヌグ)い、声にならない声でお兄さんに懇願した。 「…祐介に…会わせてください」 乾いた唇が震えた。 「…体の傷が…酷(ヒド)いんだ。…辛いかもしれない」 …辛いのは 私なんかじゃない。 「…会わせてください」 お兄さんは小さく頷いて、ドアノブに手を掛けた。
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