冷たいキス

16/34
647人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
祐介が私を抱きしめてくれないから 私は祐介の胸にすがり付くように顔を埋(ウズ)めた。 「…ゆう…すけ…」 いつもなら私の背中から祐介の腕が伸びてきて、 私の頭を大きな手のひらで優しく撫でてくれる。 …つい先日も そうだったように。 「…ゆうすけぇ…」 私の欲しいものをくれない祐介に、私はたまらず祐介の胸を叩いた。 何度も何度も私を抱いてくれた祐介のカラダは 冷たくて、硬くて、 金属みたいだった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!