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祐介の実家は神奈川県の相模原市。
祐介を乗せる車が着いたと連絡があり、担当の看護師に指示されながら準備が始められた。
準備の全てはプロの方がしてくれるので、その手慣れた動きを妨(サマタ)げないように私たちは壁際に寄った。
「こんだけ暑いし、傷も酷いから…」
真夏の夜に亡くなった祐介は、すぐに火葬されることになった。
「…仕事が休めるようなら…一緒に連れてってあげたいんだけど…」
お義母さんの優しさに瞼(マブタ)の縁(フチ)に涙が溜まる。
「…もう、家族みたいなものだから」
付け足されたその言葉に、その涙が溢れ出した。
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