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-アメリカ合衆国某所とある国際空港-
「(ホントにアメリカでやっていけるのかなぁ……)」
入国検査をくぐり抜けたところで一人の少女が喧騒に掻き消されてしまう程か細い声で呟く。
千歳凪(チトセ ナギ)。二十一歳の割に童顔で幼い顔立ちのの彼女は、子供の頃から気の強い女の子ではなかった。
どちらかと言えばか弱いと言われる様な彼女は、柔順で温和な性格で、何処にでもいる普通の女の子だろう。
そんな彼女が唯一皆に驚愕される事実は、彼女が“元軍人”と言う点であろう。
身長159cm日本人女性では平均的。顔立ちも整っていて、俗に可愛いと言われる部類である。実際友人によると彼女は男子に根強い人気を誇っていたらしい。
普通に行けば就職か、大学生活を謳歌し、青春と言う言葉に満たされている頃だろう。
「(はぁ……、よし!! 頑張れ私!!)」
頬を叩き気合いを入れると、ペチンと小気味よい音が響く。
気合いを入れ直した彼女が新たな一歩を踏み……、
「キャッ!?」
だせなかった。
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